ECサイトの外注にかかる費用相場、選び方のポイント

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ECサイトの外注にかかる費用相場、選び方のポイント

ECサイトの制作や運営を外部に委託する際、適切な予算設定と業者選びが成功の鍵を握ります。本記事では、ECサイトの外注にかかる費用相場や、外注先選びのポイントを詳しく解説します。

ECサイトの外注にかかる費用相場とは

ECサイト構築の外注費用は、サイトの規模や機能によって大きく異なります。適切な予算計画のためには、まず相場を把握することが重要です。

制作代行の費用相場

ECサイトの制作代行にかかる費用は、運営サイトの規模や機能によって大きく変動します。小規模サイトでは100万〜300万円程度が相場で、基本的な購入ページやコンセプト、会員機能などが含まれます。

一方、大規模なECサイトでは300万円以上かかることが一般的で、特に在庫管理システムやマーケティング機能を追加する場合は費用が増加します。費用は以下のように分類できます。

サイト規模 費用相場 含まれる主な機能
小規模(商品数10程度) 10万円~35万円 基本的な商品ページ、シンプルな決済機能
中規模(商品数50程度) 約50万円 会員機能、複数決済対応、基本的な分析機能
大規模(商品数100以上) 60万円~100万円以上 高度な在庫管理、顧客管理、マーケティング機能
本格的ECサイト 100万円~500万円 フルカスタマイズ、独自機能、高度なUI/UX設計

※2025年5月時点

商品登録代行の費用相場

ECサイトの運営において、商品登録作業は非常に時間がかかる業務です。この作業を外注する場合の費用相場は、依頼方法や提供する情報量によって大きく異なります。

クラウドソーシングを活用した場合と専門の代行業者に依頼した場合の費用差は以下の通りです。

提供情報 クラウドソーシング 専門代行業者
詳細情報提供あり 約20円/件~ 約200円/件~
パンフレットや商品データあり 約100円/件~ 約900円/件~

※2025年5月時点

ECサイト運営の月額費用(ランニングコスト)

ECサイトを運営する上では、初期構築費用だけでなく継続的な月額費用も考慮する必要があります。サイト規模によって月額費用は異なり、小規模サイトでは1万円以下、中規模サイトでは1万円~1万5,000円程度、大規模サイトでは2万円前後が一般的です。

運営を外部に委託する場合は、月額数万円から数十万円のコストがかかることを想定しておくべきでしょう。ランニングコストの主な内訳は以下の通りです。

費用項目 相場
ドメイン代 年1,000~5,000円前後
レンタルサーバー維持費 月数百円~5,000円前後
独自SSLサーバー証明書 ドメイン認証型:無料~数千円
企業認証型:年5~8万円前後
決済代行サービスの手数料 購入代金の3~5%前後
カートシステム利用料 月額3,000~10万円前後
梱包・配送費用 配送料:1つあたり300~2,000円前後
梱包材:100~500円前後
人件費 1人あたり30万円前後
外部ツール利用料 ツールによって異なる
コンテンツ作成費用 年10~100万円前後
マーケティング費用 規模や戦略によって異なる

※2025年5月時点

ECサイト外注で対応できる主な業務

ECサイトの運営には多岐にわたる業務が存在します。外注可能な主な業務カテゴリとその特徴を理解しておくことで、効率的なリソース配分が可能になります。

集客業務の外注

ECサイトの成功には効果的な集客戦略が不可欠です。SEO対策、SNSマーケティング、広告運用などの専門知識が必要な分野は、特に立ち上げ初期フェーズでは外部の専門家に依頼することで効率的に成果を出せることが多いでしょう。

外注する際は、単に業務を委託するだけでなく、将来的に自社で運用できるようノウハウ移転を含めた「自走化支援」を依頼することが理想的です。これにより長期的なコスト削減と専門知識の内部蓄積が可能になります。

サイト構築の外注

ECサイト構築はウェブデザイン、システム実装、カート機能など高度な専門知識が求められる分野です。プロフェッショナルに依頼することで、使いやすさとブランドイメージに合致した高品質なサイト構築が可能になります。

ただし、構築後の運用や更新を考慮し、自社でも基本的な修正や更新ができるような体制づくりも並行して進めることが重要です。継続的な改善を効率よく行うためには、内製と外注のバランスを考えた体制構築が必要になります。

商品登録業務(ささげ)の外注

「ささげ」と呼ばれる商品登録作業は、情報整理、画像処理、説明文作成など地道な作業の積み重ねです。この業務を外注することで、社内リソースを他の重要業務に集中させることができます。

商品登録を外注する最大のメリットは作業時間の大幅短縮です。また、専門業者に依頼することで登録精度も向上し、魅力的な商品ページ作成にもつながります。特に多数の商品を扱うECサイトでは、この業務の効率化が全体の運営効率に大きく影響します。

商品管理業務の外注

効率的な在庫管理は、ECサイト運営の要となります。適切な在庫レベルを維持することで、機会損失を防ぎながら過剰在庫も避けられます。

商品管理業務を外注する場合は、専門システムの導入とリアルタイム管理体制の構築が重要です。適切な外注先との連携により、在庫ロスの削減と顧客満足度の向上を同時に達成できます。特に季節商品や流行商品を扱う場合には、柔軟かつ正確な在庫管理が売上に直結します。

受発注管理業務の外注

注文受付から納品までの一連のプロセスは、ECサイト運営の中核を成す業務です。この煩雑な業務を自動化・外注化することで、対応スピードの向上と人的ミスの削減が期待できます。

受発注管理を外注する際は、自社の業務フローに合わせたシステム構築と連携が重要です。特に繁忙期には処理能力を柔軟に拡大できる体制が必要となるため、スケーラビリティのある外注先を選ぶことがポイントになります。

顧客対応業務の外注

問い合わせ対応や返品処理などの顧客対応は、ブランドイメージを左右する重要な業務です。迅速で丁寧な対応は顧客満足度向上に直結します。

顧客対応業務を外注する際は、自社のブランド価値やポリシーを十分に理解してもらうことが不可欠です。定期的な研修やマニュアル整備により、CS(カスタマーサポート)品質を一定以上に保つ工夫が必要です。また、特殊なケースや重要顧客対応は社内で行うなど、適切な業務分担を検討しましょう。

ECサイトの外注判断基準

すべての業務を外注するのではなく、自社の状況に合わせた適切な判断が重要です。外注すべきかどうかを判断する基準を理解しておきましょう。

リソース不足の場合

EC事業を運営する上で、人員や時間が不足している場合は外注を検討する最も一般的な理由です。特に小規模な事業者や新規参入者にとって、すべての業務を社内で完結させることは現実的ではありません。

社内リソースを戦略立案や重要な意思決定に集中させ、定型業務や専門性の高い作業は外部に委託することで、効率的な事業運営が可能になります。ただし、外注すると決めた業務についても、最低限の理解と管理能力は社内に保持しておくことが重要です。

スキル不足の補完

SEO対策や広告運用、システム開発など専門的なスキルが必要な領域は、外部の専門家に委託することでより高い成果を期待できます。専門知識がないまま内製化すると、試行錯誤に時間がかかり、効率が悪くなるケースが多いでしょう。

ただし、外注する場合でも「丸投げ」ではなく、基本的な知識を持った上で外部のプロフェッショナルと協業する姿勢が重要です。また、外注を通じて社内にもノウハウを蓄積していく視点を持つことで、長期的には内製化へ移行することも検討できます。

人件費削減の観点

正社員を採用・育成するコストと比較して、外注が経済的に有利なケースも多くあります。特に季節変動が大きい業務や、専門性は高いが業務量が限られている分野では、外注によるコスト最適化が効果的です。

外注費用と内製化コストを比較する際は、単純な金額だけでなく、採用コスト、教育コスト、福利厚生費なども含めた総合的な視点で判断することが重要です。また、業務量の変動に合わせて柔軟に調整できることも外注の大きなメリットといえるでしょう。

コンサルティング活用

EC事業の戦略立案や改善指導のみを外部に依頼するコンサルティング型の外注も有効な選択肢です。この方法では、日常的な運営は自社で行いながら、専門家の知見を活かした戦略的な判断や改善提案を得ることができます。

特に新規事業立ち上げ時や大幅なリニューアル時には、経験豊富なコンサルタントのアドバイスが成功確率を高める鍵となります。短期的なコストは発生しますが、的確な方向性設定による中長期的な利益向上が期待できるでしょう。

ECサイト運営で内製化が望ましい業務

すべての業務を外注するのではなく、競争力維持のために内製化すべき業務もあります。長期的な成長を見据えた業務分担を考えましょう。

アクセス分析と改善業務

サイトのアクセスデータを分析し、改善策を実行する業務は内製化が望ましい代表的な例です。分析から意思決定、施策実行までのスピードが重要であり、外部に委託すると対応が遅れがちになります。

また、自社のビジネスモデルや顧客特性を踏まえた仮説検証を繰り返すことで、競合との差別化につながる独自のノウハウが蓄積されます。アクセス解析ツールの基本的な使い方を学び、日々のデータをチェックする習慣をつけることで、効果的な内製化が可能になります。

コンバージョン率(CVR)改善業務

訪問者を購入者に変える「コンバージョン率改善」は、ECサイト成功の核心部分です。この業務を内製化することで、自社の商品特性や顧客心理に合わせた細やかな改善が可能になります。

CVR改善のノウハウは一朝一夕で身につくものではなく、継続的な仮説検証と改善の積み重ねが必要です。この過程で蓄積される知見は、長期的な競争力の源泉となります。外部の専門家のアドバイスを取り入れつつも、実行と検証のサイクルは内部で回すことが理想的です。

顧客単価・リピート率向上の施策

新規顧客の獲得だけでなく、既存顧客の単価向上やリピート購入促進は利益率向上の鍵となります。この施策は顧客データの深い理解に基づくため、内製化することで効果的な施策を継続的に実行できます。

特に顧客とのコミュニケーション戦略やロイヤルティプログラムの設計は、自社のブランド価値やビジョンと密接に結びついており、外部に完全委託することは難しい分野です。内製化によるPDCAサイクルの迅速な回転が、競合との差別化につながります。

ECサイト外注の料金体系

外注先との契約時には、さまざまな料金体系があります。それぞれの特徴を理解し、自社に適した料金モデルを選択しましょう。

固定報酬型の特徴

固定報酬型は、成果に関わらず定額の報酬を支払う契約形態です。この方式の最大のメリットは予算管理のしやすさにあります。月々の支出が一定であるため、財務計画が立てやすく、特に予算制約の厳しい企業には適しています。

一方で、成果に連動しないため外注先のモチベーション維持が課題となる場合があります。また、業務範囲を明確に定義しておかないと、「この作業は契約外」といった追加費用が発生するリスクもあります。契約時には業務範囲の詳細な擦り合わせが重要です。

成果報酬型の特徴

成果報酬型は、売上やKPIの達成度に応じて報酬が変動する契約形態です。外注先のモチベーションを高く維持できることが最大のメリットで、目標達成に向けた積極的な提案や努力を期待できます。

ただし、成果が上がらない時期は報酬が発生しないため、外注先にとっては不安定な収入構造となります。そのため、長期的な協力関係を構築するには工夫が必要です。また、「成果」の定義や測定方法について明確な合意形成が不可欠で、後々のトラブルを避けるためにも契約時の詳細な取り決めが重要となります。

複合型料金体系の活用

固定報酬と成果報酬を組み合わせた複合型の料金体系も有効な選択肢です。例えば、基本業務には固定報酬を設定し、目標達成時のボーナスを追加するモデルなどが考えられます。

複合型は両方のメリットを活かせる反面、契約内容が複雑化しがちという欠点もあります。導入する際は、固定部分と変動部分の割合バランスや、成果指標の選定に十分な検討が必要です。外注先との信頼関係構築と共に、お互いにとって持続可能なモデル設計を心がけましょう。

EC外注先の選定基準

外注先選びは、ECサイト運営の成功を左右する重要な決断です。適切なパートナー選びのための基準を詳しく解説します。

自社ニーズとの合致度

外注先を選ぶ際の最も基本的な基準は、自社のニーズと提供サービスの一致度です。ECサイト運営には多様な業務があり、すべてを網羅する外注先は少ないため、優先すべき業務領域を明確にすることが重要です。

例えば、デザインに強みを持つ会社、システム構築が得意な会社、マーケティングに特化した会社など、各社の得意分野は異なります。自社の課題や目標を明確にした上で、それに最適な強みを持つ外注先を選ぶことが成功への第一歩です。また、将来的な事業拡大や方向転換の可能性も考慮し、柔軟に対応できるパートナーを選ぶことも大切です。

繁忙期対応力の確認

ECサイトは季節やキャンペーンによって業務量が大きく変動します。特に年末商戦やセール期間中は通常の数倍の注文処理が必要になることもあるため、外注先の繁忙期対応力は重要な選定基準となります。

外注先候補の会社に対しては、過去の繁忙期対応実績や、急な業務増加に対する人員確保の方法について具体的に質問することをおすすめします。また、繁忙期の追加料金体系についても事前に確認しておくことで、予想外のコスト発生を防ぐことができます。信頼できるパートナーであれば、繁忙期対策の具体的なプランや過去の成功事例を示してくれるはずです。

コスト管理の透明性

外注費用は適切に管理しなければ、売上増加以上にコストがかさむリスクがあります。外注先を選ぶ際は、料金体系の透明性と予算内でのサービス提供能力を重視しましょう。

見積もりの段階で「追加料金が発生するケース」について明確に説明してくれる会社は信頼できる傾向があります。また、コスト削減の提案や、段階的な導入プランを提示してくれる外注先は、クライアントの予算状況に配慮している証拠です。契約前には必ず複数の会社から見積もりを取得し、サービス内容とコストのバランスを比較検討することをおすすめします。

自走化支援の有無

長期的な視点では、すべての業務を永続的に外注し続けるよりも、徐々に自社で運営できる体制を構築することが理想的です。そのため、自走化支援(ノウハウ移転)を提供してくれる外注先は高く評価すべきでしょう。

具体的には、マニュアル作成や社内スタッフへの研修提供、段階的な業務移管プランなどを提案してくれる会社が望ましいです。単に作業を代行するだけでなく、クライアントの成長をサポートする姿勢を持った外注先は、真のビジネスパートナーとして長期的な関係を築くことができます。

まとめ

ECサイトの外注は、費用対効果を考慮しながら適切な業務範囲と外注先を選ぶことで、効率的なオンラインビジネスの展開を可能にします。この記事では、EC外注の費用相場から選び方のポイントまで詳しく解説しました。

  • ECサイト制作の外注費用は、小規模で10万円~35万円、中規模で約50万円、大規模で60万円~100万円以上が相場
  • ランニングコストには、サーバー費用、システム利用料、外注費など多岐にわたる項目がある
  • 集客、サイト構築、商品登録、商品管理、受発注管理、顧客対応など様々な業務を外注できる
  • アクセス分析、CVR改善、顧客単価・リピート率向上などの戦略的業務は内製化が望ましい
  • 外注先選びでは、自社ニーズとの合致度、繁忙期対応力、コスト管理の透明性、自走化支援の有無を重視すべき

自社の状況や予算に合わせた最適な外注戦略を立て、ECビジネスの成長を加速させましょう。まずは複数の外注先から見積もりを取り、比較検討することから始めてみてはいかがでしょうか。

ECサイトの外注費用についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひEC WITHにお問い合わせください。専門家が最適なアドバイスを提供いたします。ぜひお気軽にご相談ください。

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