Webデザインおすすめツール│無料で使えるツール10選詳細を徹底比較

Webデザインの現場では、適切なツールの選択が作業効率と成果物の質を大きく左右します。本記事では、無料で使えるWebデザインツール10選を、機能や特徴、対応OSなどの観点から徹底比較します。
目次
Webデザインツールの役割と選び方
Webデザインツールとは、Webサイトの制作や管理に使用するソフトウェアの総称です。これらのツールは、画像加工、イラスト作成、UIデザイン、Webサイト構築など、さまざまな機能を提供しています。
Webデザインツールを選ぶ際は、以下のポイントを考慮しましょう。
- 構築したいサイトの目的や規模
- 必要な機能(画像編集、イラスト作成、UIデザインなど)
- チーム連携の必要性
- 無料プランで提供される機能の範囲
- 操作の難易度と学習コスト
画像加工に最適なWebデザインツール2選
Webサイト制作において、画像の加工や編集は必須のスキルです。ここでは、無料で使える高性能な画像加工ツールを2つ紹介します。
GIMP - プロフェッショナルな画像編集を無料で
GIMPは1996年から提供されている老舗の画像編集ソフトで、Photoshopに匹敵する多機能さを誇ります。レイヤー機能、フィルター、色調補正など、画像編集に必要な機能が一通り揃っています。オープンソースで完全無料で使えるため、予算を抑えたいフリーランスデザイナーや中小企業に特におすすめです。
Windows、macOS、Linuxの全主要OSに対応している点も魅力的です。ただし、インターフェースがやや複雑で初心者には使いにくい面があります。
メリット | デメリット |
---|---|
・完全無料で高機能 ・全主要OS対応 ・プラグインによる拡張性 |
・学習曲線が急 ・インターフェースが直感的でない ・起動が少し遅い |
Canva - テンプレート豊富な万能デザインツール
Canvaは、Webブラウザで動作する多目的デザインプラットフォームです。200万点以上のテンプレートを提供し、SNS用の画像からプレゼン資料、ポスターまで幅広いデザイン制作に対応しています。
ドラッグ&ドロップの直感的な操作性が特徴で、デザインの専門知識がなくても短時間で見栄えの良い成果物を作れます。無料プランでも十分な機能が使えますが、さらに多くのテンプレートやストック画像を利用するには有料プランへのアップグレードが必要です。
料金プラン | 主な機能 |
---|---|
無料プラン | 基本テンプレート、5GB ストレージ、基本編集ツール |
Pro:1,180円/月 | プレミアムテンプレート、100GB ストレージ、背景リムーバー |
Teams:1,500円/月(3人〜) | チーム共有機能、ブランドキット、無制限のフォルダ |
※2025年4月時点
イラスト作成に特化したWebデザインツール2選
オリジナルのイラストや図形を作成したい場合には、ベクター画像編集やドローイング機能を備えたツールが必要です。ここでは、無料で使えるイラスト作成ツールを2つご紹介します。
Inkscape - 高機能ベクターグラフィックエディタ
Inkscapeは、オープンソースのベクターイラスト作成ソフトで、Adobe Illustratorの代替として人気があります。SVGをネイティブ形式として採用しており、Webデザインに最適なベクターグラフィックを作成できます。
パスやシェイプツール、テキスト機能、色調整など、ベクターグラフィック制作に必要な機能が一通り揃っています。無料で商用利用可能なため、プロフェッショナルなWebデザイン制作にも活用できます。Windows、Linux、macOSで利用可能ですが、macOSでは少し動作が遅い場合があります。
用途 | 関連機能 |
---|---|
ロゴデザイン | パスツール、ノード編集、オブジェクト変形 |
アイコン作成 | グリッドスナップ、ブール演算、クローンツール |
Webグラフィック | SVG出力、PNGエクスポート、透明度サポート |
Krita - デジタルペインティングに特化したオープンソースツール
Kritaはデジタルペイントやコンセプトアート制作に特化したオープンソースのイラスト作成ソフトウェアです。タブレットを使った描画に最適化されており、手ブレ補正機能やブラシエンジンなど、イラストレーターのニーズに応える機能が充実しています。
レイヤー機能やフィルター、カラーマネジメントなど、プロフェッショナルな作業にも適した機能を備えています。特に、Webサイトのヒーロー画像やカスタムイラストの作成に適しています。Windows、Mac、Linuxで利用可能で、商用利用も無料です。
特徴的な機能 | Webデザインでの活用法 |
---|---|
・900種類以上のブラシプリセット ・非破壊的なフィルターマスク ・アニメーション機能 ・ポップアップパレット |
・オリジナルイラストの作成 ・テクスチャやパターンの制作 ・バナーやサムネイル画像 ・簡単なアニメーションGIF |
UIデザインを効率化するWebデザインツール2選
ユーザーインターフェース(UI)デザインは、Webサイトの使いやすさと見た目を決定する重要な要素です。ここでは、UIデザインに特化した無料ツールを2つ紹介します。
Figma - チーム協業に最適なUIデザインツール
Figmaはブラウザベースで動作するUIデザインツールで、リアルタイムのコラボレーション機能が最大の特徴です。複数人が同時に同じファイルを編集できるため、チームでのデザイン作業を効率化できます。
レスポンシブデザイン対応のプロトタイプ作成や、コンポーネント機能によるデザインシステムの構築も可能です。個人利用であれば無料プランでも十分な機能が使えますが、チーム機能やより多くのプロジェクトを扱うには有料プランへのアップグレードが必要です。
プラン | 料金 | 主な機能 |
---|---|---|
無料(個人) | 0円 | 3つのFigmaファイル、無制限の個人プロジェクト、基本コラボレーション |
Professional | 12ドル/月(ユーザーごと) | 無制限のFigmaファイル、プロジェクト履歴、共有ライブラリ |
Organization | 45ドル/月(ユーザーごと) | セキュリティ強化、一元管理、高度な権限設定 |
※2025年4月時点
InVision Studio - 高度なプロトタイピングツール
InVision Studioは、プロトタイプ作成に特化したUIデザインツールです。アニメーションやインタラクション設計が直感的に行え、実際の動作に近いプロトタイプを簡単に作成できます。デバイスごとのレイアウトテンプレートも用意されているため、レスポンシブデザインの設計も効率的です。
また、デザインシステムの管理や共有も容易で、一貫性のあるUIデザインの維持に役立ちます。InVision Studioは独自のデスクトップアプリケーションとして提供されていますが、クラウドベースのInVisionプラットフォームと連携して使用できます。
特徴的な機能 | 使用例 |
---|---|
・高度なアニメーション設定 ・レイヤーベースの編集 ・インタラクティブな要素の設定 ・アダプティブレイアウト |
・Webサイトのプロトタイプ ・モバイルアプリのUI設計 ・インタラクションデザイン ・プレゼンテーション用デモ |
Webサイト制作を簡単にするノーコードツール2選
コーディングスキルがなくても本格的なWebサイトを構築できるノーコードツールは、多くのWebデザイナーにとって強力な味方です。ここでは、使いやすさと機能性を兼ね備えた2つのツールを紹介します。
STUDIO - 日本製のプロ仕様ノーコードツール
STUDIOは日本発のノーコードWebサイト構築ツールで、直感的な操作で高品質なWebサイトを制作できます。他のノーコードツールとは異なり、テンプレートに縛られない自由なデザインが可能で、プロのWebデザイナーやデベロッパーにも支持されています。
CMSやEC機能も備えており、コーポレートサイト、ブログ、イベントサイト、ポートフォリオなど幅広いタイプのサイト制作に適しています。無料プランでも十分な機能が使えますが、より高度な機能やカスタマイズには月額980円からの有料プランが必要です。
WebGLやSVGアニメーションなどの高度な表現にも対応しており、クリエイティブなWebサイト制作に適しています。
プラン | 料金 | 制限 |
---|---|---|
無料 | 0円 | 1サイト、スタジオドメイン(.studio)、基本機能 |
スタンダード | 980円/月 | 3サイト、独自ドメイン、フォーム機能拡張 |
プロフェッショナル | 2,980円/月 | 10サイト、チーム機能、全機能利用可能 |
※2025年4月時点
Wix - テンプレート豊富な総合Webサイトビルダー
Wixは500種類以上のテンプレートを提供する人気のWebサイト構築ツールです。ドラッグ&ドロップインターフェースで簡単に操作でき、初心者からプロまで幅広いユーザーに対応しています。
SEOツールやアナリティクス、Eコマース機能など、Webサイト運営に必要な機能が豊富に揃っています。無料プランはWixの広告が表示されますが、月額900円からの有料プランでは広告非表示や独自ドメインの使用が可能になります。
Wixはデザインの自由度が高く、エフェクトやアニメーションなども簡単に追加できるため、視覚的に魅力的なWebサイトを短時間で作成したい場合に最適です。
サイトタイプ別おすすめ機能 | 活用法 |
---|---|
ポートフォリオサイト | ギャラリー機能、動画埋め込み、レスポンシブデザイン |
ビジネスサイト | カスタムフォーム、アクセス解析、SEOツール |
ECサイト | ショッピングカート、決済処理、在庫管理、予約システム |
ブログ | 記事管理、コメント機能、SNS連携、メンバーシップ |
AI搭載の最新Webデザインツール2選
AI技術の進化により、Webデザインの世界にも革新的なツールが登場しています。AIを活用することで、デザイン作業の効率化や創造性の向上が期待できます。ここでは、AIを搭載した最新のWebデザインツールを2つ紹介します。
Microsoft Designer - AI画像生成と編集を無料で
Microsoft Designerは、MicrosoftがOpenAIのDALL-Eモデルを活用して開発した無料のグラフィックデザイン生成ツールです。テキストプロンプトを入力するだけで、プロフェッショナルな質のデザインや画像を生成できます。
生成された画像やデザインは自由に編集可能で、サイズ調整、テキスト追加、フィルター適用などの基本的な編集機能も備えています。Microsoft 365との連携も容易で、作成したデザインをPowerPointやWordなどに直接取り込むこともできます。
完全無料で利用回数の制限もない点が大きな特徴です。商用利用も可能なため、Webサイトのビジュアル素材作成やSNS投稿用画像の制作に最適です。
主な機能 | Webデザインでの活用例 |
---|---|
・テキストからの画像生成 ・デザインテンプレート ・背景除去/置換 ・サイズ自動調整 |
・ヒーロー画像の作成 ・ブログ記事のアイキャッチ ・バナー広告素材 ・SNS投稿画像 |
Create.xyz - AIによるWebサイト自動生成
Create.xyzは、AIを活用したコードレスWebサイト・アプリ開発プラットフォームです。テキストプロンプトや参考画像からWebサイトやアプリのプロトタイプを自動生成できる革新的なツールです。
生成されたデザインは細部まで調整可能で、コンポーネントの追加や変更、スタイルの編集などが直感的なインターフェースで行えます。日本語にも対応しているため、日本語のプロンプトでも精度の高いデザインが生成できます。
無料プランでは基本的なデザイン生成と編集が可能ですが、より高度な機能や多数のプロジェクト作成には月額19ドルからの有料プランが必要です。Webデザインの初期段階でのアイデア出しや、クライアントへの提案資料作成に効果的に活用できます。
プラン | 料金 | 主な機能 |
---|---|---|
無料 | 0円 | 基本的なAIデザイン生成、限定的な編集機能 |
Pro | 19ドル/月 | 高品質生成、無制限編集、カスタムドメイン |
Business | 99ドル/月 | チーム共同編集、高度なカスタマイズ、API連携 |
※2025年4月時点
無料Webデザインツールを選ぶ際のポイント
無料のWebデザインツールは数多く存在しますが、自分のニーズに合ったツールを選ぶことが重要です。効率的なツール選びのために押さえておきたいポイントを解説します。
目的と必要機能の明確化
Webデザインツールを選ぶ前に、どのような作業に使用するのかを明確にしましょう。画像編集が主な目的なのか、イラスト作成なのか、UIデザインなのか、あるいはWebサイト全体の構築なのかによって、最適なツールは異なります。
例えば、写真の加工や調整が主な作業であればGIMPやCanvaが適していますが、Webサイト全体を構築したい場合はWixやSTUDIOのようなノーコードツールの方が効率的です。
多くのツールは特定の用途に特化しているため、作業内容に合わせて複数のツールを組み合わせて使用することも検討しましょう。
無料プランの制限事項の確認
無料で使えるWebデザインツールでも、機能制限やウォーターマーク、使用回数の制限などが設けられていることがあります。実際に使用する前に、以下のポイントを確認しておくことが重要です。
- 商用利用が可能かどうか
- ファイル出力形式や解像度に制限がないか
- 保存できるプロジェクト数に制限があるか
- 出力物にウォーターマークが付くかどうか
- 有料機能とどのような区別がされているか
例えば、CanvaやWixの無料プランでは、一部のプレミアムテンプレートや素材が使用できなかったり、独自ドメインの設定ができなかったりする制限があります。自分の利用目的に照らし合わせて、無料プランの制限が問題にならないかを事前に確認しておきましょう。
サポートとコミュニティの充実度
無料ツールを効果的に活用するには、操作方法や困った時の解決策を調べられる環境があることも重要です。ユーザーコミュニティが活発で、チュートリアルや解説記事が充実しているツールを選ぶと、スムーズに使いこなせるようになります。
多くのユーザーに使われているツールほど、検索で操作情報が見つけやすく、フォーラムやSNSでのサポートも期待できます。例えば、GIMPやInkscapeは長い歴史を持つオープンソースプロジェクトで、豊富な解説記事やチュートリアル動画が公開されています。
また、日本語対応のツールを選ぶことも、初心者にとって重要なポイントです。Create.xyz やSTUDIOなどは日本語のサポート情報が充実しています。
まとめ
本記事では、Webデザインに活用できる無料ツール10選を、画像加工、イラスト作成、UIデザイン、Webサイト構築、AI搭載ツールの5カテゴリーに分けて紹介しました。それぞれのツールには特徴や強みがあり、用途に応じて選択することが重要です。
- 画像加工にはGIMP、Canvaが優れている
- イラスト作成にはInkscape、Kritaがおすすめ
- UIデザインにはFigmaとInVision Studioが効果的
- ノーコードWebサイト構築にはSTUDIOとWixが使いやすい
- AI搭載の最新ツールとしてMicrosoft DesignerとCreate.xyzが注目されている
- ツール選びでは目的、無料プランの制限、サポート体制を確認することが重要
まずは自分のプロジェクトに必要な機能を明確にし、いくつかのツールを実際に試してみることをおすすめします。自分に合ったツールを見つけて、Webデザインの可能性を広げていきましょう。
無料ツールを活用しても、デザインに不安が残る場合はプロの手を借りるのも一つの手です。「EC WITH」なら、ECに強いデザイナーにピンポイントで依頼でき、より効果的なWebデザインが実現できます。まずは無料で会員登録してご利用ください。