ShopifyでECサイトを構築する方法とメリットや費用相場を解説

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ECサイトの立ち上げを検討している方にとって、Shopifyは魅力的な選択肢です。世界175カ国以上で170万を超えるECサイトが利用するこのプラットフォームは、初心者からプロまで幅広いユーザーに支持されています。この記事では、Shopifyを使ったECサイト構築の方法やメリット、費用相場について詳しく解説します。

Shopifyとは?ECサイト構築の理想的なプラットフォーム

Shopifyは、専門的な知識がなくても簡単にECサイトを構築できるクラウド型のプラットフォームです。オールインワンの解決策を提供し、デザインから決済、在庫管理まで必要な機能がパッケージ化されています。

Shopifyの特徴は、ユーザーフレンドリーな操作性と高い拡張性を兼ね備えている点です。HTMLやCSSなどのコーディング知識がなくても、直感的な管理画面から様々な設定が可能です。また、多言語・多通貨に対応しており、国内だけでなく越境ECにも対応できる柔軟性を持っています。

ShopifyでECサイトを構築する手順

Shopifyを使ったECサイト構築は、順を追って進めれば初心者でも実現可能です。以下に具体的な手順を解説します。

アカウント登録とプラン選択

まずはShopify公式サイトにアクセスし、無料トライアルを開始します。メールアドレスやパスワードなどの基本情報を入力してアカウントを作成しましょう。アカウント作成時に店舗の基本情報も入力します。

無料トライアル期間は14日間で、その間にサイト構築を進め、本格的に運営を始める際にプランを選択します。Basic、Shopify、Advanced Shopifyの3つの主要プランから、自社の規模や予算に合わせて選ぶことができます。

テーマ選択とデザインカスタマイズ

アカウント登録後、ストアデザインを決めるテーマを選択します。Shopifyには100種類以上のテーマが用意されており、無料・有料のオプションがあります。テーマの選択は「テーマ」セクションから行え、自社ブランドのイメージに合ったデザインを選びましょう。

テーマ選択後は、管理画面からカラーやフォント、ロゴなどの基本的な要素をカスタマイズできます。高度なカスタマイズは不要で、テンプレートを活用するだけでプロフェッショナルな外観のECサイトが構築できるのがShopifyの強みです。

商品登録と在庫管理設定

デザインが決まったら、販売する商品情報を登録します。「商品」セクションから商品の追加を行い、商品名、説明文、価格、画像などの詳細情報を入力します。SEO対策として、商品説明には重要なキーワードを自然に盛り込み、高画質な画像・動画を複数アップロードすることで顧客の購買意欲を高められます。

また、バリエーションや在庫数の管理も同じ画面から設定可能です。SKU(在庫管理コード)を設定しておくと、在庫管理が効率化されます。

決済設定と配送方法の構築

ECサイトでは、スムーズな支払いと配送のプロセスが顧客満足度に直結します。Shopifyでは「設定」から決済プロバイダーを選択し設定できます。クレジットカード決済、PayPal、Amazon Pay、Apple Payなど複数の決済方法に対応しており、国内向けにはコンビニ決済や銀行振込なども設定可能です。

配送方法も同様に「設定」から登録でき、配送料の設定や配送地域の制限、送料無料の条件なども柔軟に設定できます。Shopifyの決済システムは国際的な規格に準拠しており、セキュリティ面でも安心して利用できます。

法令対応ページの作成

ECサイト運営においては、特定商取引法(特商法)に基づく表記やプライバシーポリシーなど、法令に準拠したページの作成が不可欠です。Shopifyでは「ページ」セクションから新規ページを作成し、必要な法的情報を記載します。

特商法ページには販売業者名、所在地、連絡先、商品代金、送料、支払方法、返品・交換ポリシーなどを明記します。これらのページはフッターなど分かりやすい場所にリンクを設置し、顧客がいつでもアクセスできるようにしておくことが重要です。

サイト公開前のテスト運営

ECサイトを公開する前に、全ての機能が正しく動作するかテストを行うことが重要です。テストモードを使用して注文プロセスをシミュレーションし、決済から確認メール送信までの流れに問題がないか確認します。

また、スマートフォンやタブレットなど様々なデバイスからアクセスして表示を確認し、レスポンシブデザインが機能しているか検証しましょう。全てのリンクやボタンが正常に動作するか、商品検索や絞り込み機能は適切に機能するかなど、ユーザー目線でサイト全体をチェックします。テスト段階で問題を発見し修正することで、公開後のトラブルを防止できます。

ShopifyでECサイトを構築するメリット

Shopifyには多くの魅力的な特徴があり、様々な規模の事業者にとって理想的な選択肢となっています。ここでは主要なメリットについて詳しく説明します。

低コストで始められる初期投資の少なさ

Shopifyの大きな魅力は、初期費用を抑えてECサイトを立ち上げられる点です。サーバー構築やシステム開発に多額の投資をせずとも、月額課金制で利用できるため、スタートアップやスモールビジネスにとって資金的なハードルが低くなっています。Basic Shopifyプランは月額29ドル(約3,200円)から利用可能で、出品できる商品数に制限がありません。

さらに、決済手数料も比較的リーズナブルで、事業規模に応じてプランをアップグレードできる柔軟性も備えています。これにより、小規模から始めて段階的に投資を増やしていくことが可能です。

直感的な操作性と豊富な拡張機能

Shopifyは特別な技術知識がなくても操作できる直感的なインターフェースを提供しています。管理画面はシンプルで分かりやすく設計されており、ECサイト運営に必要な基本機能がすべて揃っています。

さらに、Shopifyアプリストアには6,000以上のアプリがあり、マーケティング、在庫管理、顧客サポートなど様々な機能を必要に応じて追加できます。例えば、メルマガ配信、レビュー表示、クーポン発行、ポイントシステムなど、ビジネスの成長に合わせて機能を拡張していけるのも大きな魅力です。また、API連携も容易で、既存のシステムとの統合も可能です。

越境ECへの強みと国際展開の容易さ

Shopifyは国際展開を視野に入れたECサイト運営に強みを持っています。多言語・多通貨対応機能により、海外のお客様にも自国の言語や通貨でショッピングを提供できます。20以上の言語と133以上の通貨に対応しており、地域ごとの税金や送料も自動計算可能です。

また、海外の主要な決済方法にも対応しているため、国によって異なる決済習慣にも柔軟に対応できます。越境物流との連携も容易で、国際配送状況の追跡機能も提供されています。グローバルなEコマース市場を視野に入れている事業者にとって、Shopifyは海外進出の障壁を大きく下げる強力なツールとなります。

優れたセキュリティと安定性

ECサイトにとってセキュリティは非常に重要な要素です。Shopifyは高度なセキュリティ対策を標準装備しており、PCI DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)に完全準拠しています。これにより、顧客のクレジットカード情報などの機密データを安全に処理できます。また、クラウドベースのサービスであるため、システムは常に最新の状態に保たれ、自動的にセキュリティアップデートが適用されます。

さらに、99.98%以上の稼働率を誇る安定したインフラを提供しており、アクセス集中時や特別なセールイベント時も安定したパフォーマンスを維持できます。バックアップも自動的に行われるため、データ損失のリスクも最小限に抑えられています。

マーケティング機能とSNS連携の充実

Shopifyには集客や販売促進に役立つマーケティング機能が豊富に用意されています。SEO対策のための各種設定がシンプルに行えるほか、Facebook、Instagram、Pinterest、TikTokなど主要SNSとの連携も容易です。これらのプラットフォーム上で直接商品を販売することも可能で、オムニチャネル戦略の実現をサポートします。

また、Googleショッピング連携機能も搭載されており、商品フィードを自動で生成・送信できます。さらに、ABテストやリターゲティング広告、メールマーケティングなど、デジタルマーケティングに必要な機能も充実しており、効果的な顧客獲得と定着を支援します。

Shopify ECサイト構築の費用相場

Shopifyを利用したECサイト構築にかかる費用は、自社で行うか制作会社に依頼するかによって大きく異なります。それぞれのケースにおける費用相場を詳しく見ていきましょう。

自社でECサイトを構築する場合の費用

自社でShopifyを使ってECサイトを構築する場合、基本的な費用は以下のとおりです。

項目 内容
月額利用料 Basic Shopify(29ドル/月)、Shopify(79ドル/月)、Advanced Shopify(299ドル/月)から選択
テーマ費用 無料テーマまたは有料テーマ(約150〜350ドル、一度払い)
アプリ導入費 必要な機能によって月額0〜50ドル程度/アプリ
独自ドメイン取得費 年間約1,000〜3,000円

※2025年4月時点

自社構築の最大のメリットは初期費用を大幅に抑えられる点で、最低限の構成であれば月額5,000円程度から始められます。ただし

構築内容 費用目安 含まれるサービス
基本機能のみ(シンプル構築) 約30万〜100万円 テーマカスタマイズ、商品登録、決済設定など基本的な設定
デザイン性・機能性重視(中規模構築) 約100万〜300万円 オリジナルデザイン、アプリ連携、SEO対策、コンテンツ制作など
フルカスタマイズ(大規模構築) 約300万〜1000万円 完全オリジナルデザイン、独自機能開発、外部システム連携、コンサルティングなど

デザインのこだわりや機能拡張のためのアプリ導入によって費用は増加します。また、自社内に運用担当者を置く必要があるため、人件費も考慮する必要があります。

制作会社に依頼する場合の費用相場

制作会社に依頼する場合、構築内容によって費用は大きく変動します。以下は一般的な相場です。

構築内容 費用目安 含まれるサービス
基本機能のみ(シンプル構築) 約30万〜100万円 テーマカスタマイズ、商品登録、決済設定など基本的な設定
デザイン性・機能性重視(中規模構築) 約100万〜300万円 オリジナルデザイン、アプリ連携、SEO対策、コンテンツ制作など
フルカスタマイズ(大規模構築) 約300万〜1000万円 完全オリジナルデザイン、独自機能開発、外部システム連携、コンサルティングなど

制作会社に依頼するメリットは、専門的な知識やノウハウを活かした質の高いECサイトが構築できる点です。また、SEO対策やマーケティング支援などを含めたトータルサポートを受けられることも多く、集客面での成果も期待できます。ただし、構築後も保守運用費用(月額2万円〜10万円程度)が発生する場合があるため、長期的なコスト計算も重要です。

継続的に発生する費用

ECサイト構築後も継続的に発生する費用としては、以下のものがあります。

費用項目 内容
Shopify月額料金 選択したプランに応じた基本料金
決済手数料 取引額の2.4〜2.9%+固定手数料(プランにより異なる)
アプリ月額料金 導入したアプリの利用料
広告宣伝費 Google広告やSNS広告など集客のための費用
運用・保守費用 自社運用または外部委託の人件費

※2025年4月時点

これらの継続費用はビジネスの規模や運営方針によって大きく異なりますが、月額3万円〜30万円程度を見込んでおくとよいでしょう。特に立ち上げ初期は広告費も計上する必要があるため、半年〜1年分の運用資金を準備しておくことをおすすめします。

Shopifyを使ったECサイト構築時の注意点

Shopifyでサイトを構築する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。これらを事前に把握しておくことで、スムーズなサイト構築と運営が可能になります。

日本市場特有の要件への対応

Shopifyは海外発のサービスのため、日本市場特有の要件に標準では対応していない場合があります。具体的には、配送日時指定、複数配送先への注文、後払いなどの機能は、追加アプリやカスタマイズが必要になることが多いです。また、税率計算(軽減税率対応)などの日本特有の会計要件も考慮する必要があります。

これらの機能は日本向けのアプリを導入することで解決できますが、一部は開発費用が発生する場合もあります。実装する機能の優先順位を決め、段階的に対応していくのが現実的です。

独自ドメインとブランディング

初期設定ではECサイトのURLは「店舗名.myshopify.com」というドメインになりますが、ブランディングやSEO対策のためには独自ドメインの取得・設定を強くおすすめします。独自ドメインはShopify内で購入することも、外部のドメイン会社で取得することも可能です。

ドメイン名はブランド名や事業内容を反映し、覚えやすく、タイプミスが少ないものが理想的です。また、SSL証明書の設定も重要ですが、Shopifyでは独自ドメインに対しても無料でSSL証明書が自動的に適用されるため、安全なサイト運営が可能です。

集客施策の必要性

Shopifyはモール型ECサイトと異なり、プラットフォーム自体からの集客はほとんど期待できません。そのため、独自の集客施策が必須となります。SEO対策、SNS運用、リスティング広告など、複数チャネルを活用した集客戦略を立てる必要があります。

特に、立ち上げ初期は認知度が低いため、広告投資やコンテンツマーケティングなどを積極的に行うことが重要です。Shopifyには基本的なSEO設定機能や、SNS連携、Googleショッピング連携などのツールが用意されていますが、効果的に活用するためには戦略立案と継続的な運用が欠かせません。

まとめ

本記事では、ShopifyでのECサイト構築方法から、メリット、費用相場までを詳しく解説しました。Shopifyは初心者でも使いやすく、専門知識がなくても本格的なECサイトを構築できる強力なプラットフォームです。

  • Shopifyは低コストで始められ、操作性と拡張性に優れたECサイト構築プラットフォーム
  • 構築手順はアカウント登録、テーマ選択、商品登録、決済・配送設定、法令対応、テスト運営の流れで進行
  • 自社構築なら月額数千円から、制作会社依頼なら30万円〜1000万円程度の費用が目安
  • 越境EC対応、マーケティング機能、セキュリティの高さがShopifyの強み
  • 日本市場特有の要件、独自ドメイン設定、集客施策の準備は特に注意が必要

これからECサイトを立ち上げる方は、まずはShopifyの14日間無料トライアルを活用して、実際に触れてみることをおすすめします。自社のビジネスモデルに合うかどうか、必要な機能が揃っているかを確認し、自社構築と制作会社依頼のメリット・デメリットを比較検討してみましょう。

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